病理・細胞診検査
病理・細胞診検査室とは
病理・細胞診検査室は、患者さんから採取された臓器・組織(体の一部)・細胞を詳しく調べ、「この病気は何か」「治療はどうするべきか」を決めるための重要な情報を提供する部署です。
普段は患者さんの目に触れる機会は殆どありませんが、手術や治療方針の決定・がんの診断など、多くの場面で診療を支えています。
病理組織標本の作製
①切り出し
手術で採取された臓器は変形や腐敗を防ぐため10%ホルマリン液に約24時間漬けられます(固定といいます)。
固定したのち、主要な病変部を標本作製に適した大きさに切り出します。
②包埋(ほうまい)
切り出した臓器をカセットに詰めてパラフィン(蝋)を浸透させ、ブロックを作成します。この過程を包埋といいます。
③薄切(はくせつ)
ブロックを薄く(約3μm)削った切片をスライドガラスに貼り付け、伸展器で伸展させます。この過程を薄切といいます。
④染色
観察を行うために染色を行います。HE染色という、組織の細胞質を赤に、核を紫に染め分ける最も基本的な染色です。
さらに詳細な検討や確定診断が必要な場合は、特殊染色や免疫染色を行います。
特殊染色では粘液・脂肪・結合組織等を、免疫染色では細胞で作られる様々なタンパクを染めます。
他には、遺伝子検査を行うための染色も行います。
細胞診検査
細胞診検査では、喀痰・尿・体腔液(胸水や腹水)・子宮をブラシで擦り取ったもの、といった検査材料から細胞診標本を作製し、細胞1つひとつを顕微鏡で観察して診断を行います。
細胞診検査はまず細胞検査士(※)が行い、異常のない場合は細胞検査士が報告します。
一方、がん細胞やがんを疑う細胞がある場合は細胞診専門医とディスカッションを行い、細胞診専門医が最終診断を行います。
一般的に組織検査に比べて身体への負担が少ない検査です。そのため組織検査に先立って行われたり、がんを疑う細胞がないかの確認に行われます(スクリーニングといいます)。
また、当院では、穿刺吸引細胞診(腫瘍病変が疑われるところに細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で観察する)を実施する際、臨床検査技師が診療の場に出向いて、適切な細胞量が採取されているかどうかを穿刺する医師に助言をします。
- ※細胞検査士とは
- 日本臨床細胞学会が実施する細胞検査士資格認定試験に合格した臨床検査技師です。
この認定試験は、臨床検査技師が目指す数ある資格試験の中でも難関です。
学会や研修会への参加が義務づけられており、精度管理サーベイに積極的に参加するなどして“細胞を判定する”という精度を日々磨いています。
病理解剖
亡くなられた方のご遺族の承諾を得て、死因の解明や診断・治療効果の検討のために実施されます。
臨床検査技師は、病理医の介助業務を行います。病理解剖の後はCPC(臨床・病理カンファレンス)で検討会が行われます。
病理検査室の環境保全
ホルマリンや有機溶剤を使用するため、専用の換気装置を使用して適切な作業環境を維持しています。
また特定化学物質・四アルキル鉛等作業主任者を配置し、職場環境、健康面への配慮に努めています。
